阿蘇農村公園

この農村公園は、自然を人工化するという通常のプロセスでは、つくられていない。人工物である仮構された床面をめくることで、大地をあらわにしていくという逆のプロセスでつくられている。
都市化の波は、今日では、どのような農村においても、進行していると言えよう。
コンクリートの広大な床面をその象徴とし、それを反転させることによって、自然を蘇生させることができないか、と考えた。
めくって現れたあちこちの地表面には水が溜まり、植物の種子もどこからか飛来するだろう。
長い時間を経て、次第に、この場所本来の植生があらわになっていく。
他方、自然のネガであるめくられた床面は細分化して、折れ曲がり、ベンチやテーブル、シェルターとなる。
ここを訪れる人は、都市と自然との境界に立って憩い、そして遊ぶ。